・・・・・・眼が覚めると、真っ先に見えたのは白い天井だった。まだ頭がふらふらする。ここは
どこだ? 若林は?
「あら、気がつかれました?」
柔らかな女性の声がする。声のする方を見ると、眼鏡をかけた理知的な感じの女性が微笑ん
でいた。白衣を着ている。医者だろうか。
「ここは・・・」
「パーク内の医務室です。ジェットコースターに乗っていて、意識を失われたんですよ。覚えて
いらっしゃいます?」
原因はコースターじゃない!と言いたかったが、頭がくらくらするので言い返すこともままならな
かった。俺は若林について聞いてみた。
「俺の連れは?」
「しばらく付き添ってらっしゃったんですけど、パーク内の写真を撮らなきゃいけないとかで、
ついさっき出て行かれました。用事を終えたらここに戻って来ますから、それまでゆっくり休ん
でいて下さい」
女性はそう言うと、ニッコリ笑ってベッドの周りのカーテンを引いた。俺が気兼ねなく眠れるよう
にとの気遣いだろう。
なんてこった。若林との初デートが台無しだ。あのデブおばさんさえ、いなければ・・・。
バッドエンド4

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