シュナイダーくんは一匹の犬を飼っています。日本産の純血種で、とっても毛並みのいい大型犬です。もちろん血統書つき。まだ仔犬だけど、将来名犬に成長するのは間違いありません。
 名前は「ゲンゾー」といいます。
 シュナイダーくんはゲンゾーが大好きなので、ゲンゾーを庭で飼ったりはしません。ちゃんと家の中に入れてやり、ごはんも一緒、お風呂も一緒、寝る時もシュナイダーくんのベッドで一緒に寝ています。
 今朝もゲンゾーに顔をぺろぺろと舐められて、シュナイダーくんは目を覚ましました。目の前に可愛らしいゲンゾーの顔があります。
 シュナイダーくんはいつものようにちゅっとキスしてあげてから、ゲンゾーの頭を撫でてやりました。
 「どうした、散歩に行きたいのか?」
 「わん!」
ゲンゾーが嬉しそうに吠えて、シュナイダーくんに抱きつきます。
 「ちょっと待ってろ。支度するから」
シュナイダーくんはベッドから下りると、バスルームに向かいました。もちろんゲンゾーも一緒です。
 シュナイダーくんはざっとシャワーを浴びると、今度はゲンゾーを丁寧に洗ってやりました。ゲンゾーはお風呂が苦手なので、すぐにバスタブから出ようとします。シュナイダーくんはゲンゾーを押さえつけて、昨日汚してしまった所を念入りに洗います。
 「ほら、じっとして! 風呂が済んだら、散歩に連れて行ってやるから」
 「くうぅ〜ん」
ゲンゾーは恥ずかしそうに顔を伏せて、大人しくなりました。聞き分けのいい子だなあと思い、シュナイダーくんは嬉しくなりました。
 シュナイダーくんは服を着替えました。
 ゲンゾーは犬なので裸のままです。でもお散歩用に、赤い素敵な首輪をつけて貰いました。
 首輪をつけて貰えるときは、外に連れて行って貰えるということなので、ゲンゾーはご機嫌です。
 「わん! わんわん!」
 「よーし、行くぞ」
シュナイダーくんは鎖を引いて、ゲンゾーを朝の散歩に連れて行きました。

 早朝なのであたりはまだ薄暗く、肌寒いほどです。でもゲンゾーは元気いっぱい。ぐいぐい先に進んでいくので、シュナイダーくんは鎖を持ったまま引っ張られる格好です。
 時折同じように犬を散歩させている人や、ジョギングをしている人とすれ違います。ゲンゾーがとっても可愛くて立派な犬なので、どの人もゲンゾーのことを惚れ惚れと見つめます。
 ゲンゾーが注目されているのが嬉しくて、シュナイダーくんは得意になります。
 どうだ。ボクの犬だぞ。すごいだろう?
 公園に着きました。シュナイダーくんはゲンゾーの鎖を放してやり、少し自由に遊ばせてやることにしました。ゲンゾーは大喜びで、すぐに駆け出して行きました。
 ところがすぐに、きゃんっ! というゲンゾーの悲鳴が聞こえました。シュナイダーくんは大急ぎで、ゲンゾーの後を追います。
 大変! 数匹の野良犬がゲンゾーを取り囲んでいます。どの犬も発情していて、今にもゲンゾーに襲いかかりそうです。
 大事なゲンゾーを、野良犬なんかにやられてたまるもんか!
 「おまえら、ゲンゾーから離れろ!」
シュナイダーくんは落ちていた棒切れを振り回して、片っ端から野良犬どもを追い払いました。
 中にはシュナイダーくんに向かってくる、命知らずな犬もいましたが、そういう馬鹿な犬はサッカーで鍛えたシュナイダーくんの黄金の右足で容赦なく粉砕されました。
 野良犬どもが尻尾を巻いて散り散りに逃げていくのを見て、シュナイダーくんはゲンゾーに駆け寄りました。
 かわいそうに、ゲンゾーはすっかりすくみあがって怯えています。
 「ごめん。ゲンゾー。ボクが目を離さなければ、こんな怖い思いをしなくて済んだのに」
 「くぅ〜ん」
ゲンゾーが鼻を鳴らして、甘えるようにシュナイダーくんの腕の中にすり寄ってきました。シュナイダーくんはゲンゾーを抱きかかえるようにして、すぐに家に帰りました。

 お昼になりました。餌を食べ終わったゲンゾーに、食後の運動をさせなければなりません。でも、外に連れ出すのは危険だと思ったので、シュナイダーくんはゲンゾーを庭で遊ばせる事にしました。
 ゲンゾーの大好きなサッカーボールを用意します。何故かゲンゾーは小さなボールやフリスビーよりも、このサッカーボールがお気に入りです。
 「HA!」
シュナイダーくんがボールを蹴ると、ゲンゾーは横っ飛びになってこのボールをガッチリ掴みました。
 そしてボールをシュナイダーくんに投げ返すと、わんっ!と吠えて次のシュートを要求します。
 ゲンゾーはこの遊びが大好きです。
 ゲンゾーの反射神経はなかなかのもので、シュナイダーくんの蹴ったシュートの半分くらいは止められてしまいます。シュナイダーくんはちょっと口惜しいけど、でもゲンゾーがカッコよくボールをキャッチするところを見るのも好きなので、別に気になりません。
 こうしてシュナイダーくんとゲンゾーは、日が暮れるまでこの遊びを続けました。

 夜になりました。ごはんもお風呂も終わって、もう寝る時間です。でも寝る前に必ずやらなければならない事があります。
 それはゲンゾーの調教です。
 毎晩ちゃんと躾をしないと、ゲンゾーは我がままで聞きわけのない犬になってしまいます。そうならないようにゲンゾーを躾けるのは、飼い主であるシュナイダーくんの義務であり、責任です。
 いつものようにゲンゾーを寝室に連れてくると、シュナイダーくんは命令を始めました。
 「ゲンゾー、お座り!」
ゲンゾーは言われたとおり、ベッドに腰を下ろしました。
 「伏せ!」
ゲンゾーはベッドにうつ伏せに横たわると、ちょっと上体を起こしてシュナイダーくんの方を見ました。次の指示を待っているのです。
 「ちんちん!」
ゲンゾーはパッと顔を赤くすると、顔を伏せてしまいました。そのまま動こうとしません。シュナイダーくんはまたかとタメ息をつきました。
 聞きわけのいいゲンゾーですが、どうしたわけか「ちんちん」だけはいくら教えてもちゃんと覚えません。
 シュナイダーくんはゲンゾーを仰向かせて、ゲンゾーの右手を取り、ゲンゾーのちんちんを握らせました。
 「ほら、こうやって自分で動かして・・・出来るだろう?」
しかしシュナイダーくんが手を離すと、ゲンゾーも一緒に手を離してしまいます。ゲンゾーはイヤイヤをするように首を振って、そっぽを向いてしまいました。
 「仕方ないなぁ」
シュナイダーくんはパジャマを脱いで、ゲンゾーの身体を後ろからそっと抱きしめました。ゲンゾーの耳たぶに熱い息を吹きかけ、うなじの敏感なラインに口づけをします。
 「あっ・・・ん」
感じやすいゲンゾーがかすかに声を漏らします。シュナイダーくんはゲンゾーの背筋、わき腹、さらに鎖骨から乳首、腹筋へと丹念に愛撫を続けます。どこに触っても、ゲンゾーは気持ち良さそうに声をあげます。シュナイダーくんの日々の調教の賜物です。
 やがて、ゲンゾーは我慢できなくなったらしく、自分からシュナイダーくんに抱きついてきました。やんちゃなゲンゾーにベッドに押し倒されるような格好になって、シュナイダーくんは苦笑いです。
 ゲンゾーは自分の腰をぐりぐりとシュナイダーくんに押し付け、お尻を振っておねだりをします。
 でも、ここが肝心。ゲンゾーのおねだりが可愛いからといって、すぐにご褒美をあげては躾になりません。シュナイダーくんはぴしゃりとはねつけます。
 「お預け!」
ゲンゾーがきゅ〜んとのどを鳴らして、悲しそうな顔をします。
 ああ、そんな見捨てられたような瞳でボクを見るなよ。
 おまえ次第で、すぐにご褒美をあげるから。
 「ゲンゾー、ちんちん!」
ゲンゾーは今度はすぐに、自分のちんちんを握りました。シュナイダーくんの愛撫のせいで、すこし勃ちあがりかけていたので、ゲンゾーがこすりだすとすぐに固く大きくなりました。
 ゲンゾーはシュナイダーくんの身体を四つん這いでまたぐような格好で、「ちんちん」を続けました。ゲンゾーは息を弾ませて、段々気持ち良さそうな表情になっていきます。
 そんなゲンゾーを下から見あげて、シュナイダーくんも幸せな気持ちになってきました。
 「できるじゃないか、ゲンゾー。そのまま最後まで、ちゃんとイってみろ」
ゲンゾーが、手の動きを速めます。
 びくっと痙攣して、ゲンゾーが動きを止めました。それと同時にゲンゾーの温かいミルクが、シュナイダーくんのおなかの上にこぼれ落ちます。
 ゲンゾーが力尽きたようにシュナイダーくんの上に崩れ落ちます。シュナイダーくんはゲンゾーを抱きしめて、頭を撫でて褒めてやりました。
 「よくできたな。上手だったぞ」
ゲンゾーは潤んだ瞳でシュナイダーくんを見て、恥ずかしそうにわんっと小さく吠えました。素直なゲンゾーに、シュナイダーくんは大満足です。
 それじゃあ、ゲンゾーにご褒美をあげなきゃな。
シュナイダーくんは、ゲンゾーの下からそっと身体を起こしました。そしておなかについたゲンゾーのミルクを、指ですくい取ります。それをぐったりうつ伏せになっているゲンゾーのお尻に、ちょんっと差し入れます。
 「あんんっ!」
ゲンゾーが可愛らしい鳴き声をあげます。シュナイダーくんが指を動かすと、ゲンゾーの鳴き声もそれに合わせるように、弾みます。
 ゲンゾーがお尻を持ち上げて、おねだりを始めました。シュナイダーくんは自分のちんちんを触って、固く大っきくしました。それから、ゲンゾーのお尻に、それをご褒美として入れてあげました。
 「きゃううぅ〜んっ!!」
ゲンゾーは素敵なご褒美を貰って、大喜びです。ゲンゾーが嬉しそうに吠えるので、シュナイダーくんも嬉しくなります。
 それにゲンゾーにご褒美をあげるのはとても気持ちがいいので、シュナイダーくんはこの躾の時間が大好きなのです。
 シュナイダーくんが腰を揺すると、ゲンゾーもお尻をきゅっと締めて、反応します。シュナイダーくんも、ゲンゾーも、どんどんどんどん気持ちが良くなっていきます。
 おや? よく見るとゲンゾーが勝手に「ちんちん」を始めているようです。これはいけません。
 こういう時は、「待て」を教えなくては。
 「こら、ゲンゾー、勝手に・・・あっ、ああーっ!」
 「あぉーん!!」
厳しく叱るつもりがゲンゾーに締めつけられて、シュナイダーくんは先にイってしまいました。ちょっと遅れて、ゲンゾーが身体を震わせ、2回目のミルクを搾りだします。
 ゲンゾーに折り重なるようにベッドに伏したシュナイダーくんは、深く反省しました。
 こんなことじゃ駄目だ。ボクがゲンゾーをイかせて、ちゃんと「ちんちん」や「待て」を教えなくっちゃ。
 ボクはゲンゾーをちゃんと調教して、立派なご主人様になるんだ!
 「ゲンゾー、起きろ! もう一回、おさらいだ!」
 「くうぅ〜ん」
こうして今夜も、ゲンゾーに対するシュナイダーくんの厳しい躾が続けられたのでした・・・・・・

 朝っぱらからけたたましく電話のベルが鳴り、安眠を妨害されたカルツは不機嫌に受話器を取った。
 今日は練習が休みなので、たっぷり朝寝をするつもりだったのに、一体誰だ?
 「はい、もしも・・・」
 『カルツか! 俺だ。今、ものすごい夢を見てしまった』
電話の向こうで一方的に話しかけてきたのは、幼馴染のシュナイダーだった。カルツは嫌な予感がして、先手を打った。
 「源さんの夢だな」
 『そう、それで・・・』
 「夢精したんだな」
 『そうなんだ。その内容が・・・』
 「判った。じゃあな」
カルツは電話を切り、ついでに電話線のジャックも抜いてベッドに入りなおした。すぐに気持ちの良さそうないびきが、部屋中に響き渡った。

お わ り

あとがき
 「シュナが源さんを調教」と聞いたら、こんなイメージしか浮かびませんでした。イラスト同様、夜に書いていた時はたいして気にならなったのですが、昼間読み返したらあんまりな内容だったので、発表当時は隠し更新にしてました(笑)

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