これは、若林を自分のものにするチャンスじゃないか!
俺は、眠り込んでいる若林を見た。昼間の精悍さからは考えられない、すっかり油断しきっ
た、しどけない寝姿だ。
日頃、若林の周りにいる連中は、俺も含めてチームメイトであると同時に、ライバルでもあ
る。外国人である若林は、とくにその事を意識してしまうらしく、打ち解けて見えるときでも、ど
ことなく隙が無い。
それが今は、隙を見せまくり。若林のこんな寝姿が見られようとは、それだけで今日ここに
来た価値がある。
「う・・・ん・・・」
狭いソファの上で、若林が窮屈そうに寝返りをうつ。汗で張りついたTシャツが気持ち悪い
のか、さかんにシャツを引っ張っている。
俺の心臓が、早鐘のように脈打っているのが判った。
「暑いのか、若林。暑いんだな?」
俺は若林の上体を抱え起こすと、Tシャツを脱がせてやった。俺の目の前に若林の引き締
まった上半身がさらされる。肌の色は酔いに染まって真っ赤だ。
シャツを脱がされても眠ったままの若林は、ぐったりと俺にもたれかかっている。俺は誰が
聞いている訳でもないのに、言い訳くさく喋った。
「下も脱がないと暑いよな? 今、脱がせてやるからな」
俺の鼓動は辺りに響き渡っているんじゃないかと思えるくらい、早くなっていた。若林の腰に
手を廻し、ベルトを外す。それからボタンに手をかけ、ジッパーを下ろし、ジーパンを若林の
脚からスッポリ抜き取った。
なんとなく予想していた通り、若林の脚は太腿もふくらはぎも酔いで赤くなっている。
下着とソックスだけの姿で眠りこけている若林を見て、俺の理性は跡形もなく蒸発してしま
った。自分も服を脱ごうとして、シャツのボタンに手をかけたとき、背後から声が掛かった。
「おまえたち、何やってるんだ!」
まさか・・・と思い、振り返ってみると、そこには出掛けた筈の見上がいた。

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