シュナイダーの手が、若林の服に掛かった。シャツのボタンを外して前をはだけると、インナーを捲り上げ、筋肉の引き締まった胸に顔を寄せる。片方の乳首を舌先でちろちろ舐めてやると、若林が大きく息をつくのが判った。乳首に吸い付きながら、もうひとつの乳首を指でこねまわすようにして可愛がると、若林の息は更に乱れた。
 「はぁ・・・あ・・・」
胸を愛撫されて喘ぎながら、若林の手はシュナイダーを抱き寄せ、髪や背中をきつく抱き締める。若林の指の動きから肌に直に触れたがっているのだと判り、シュナイダーは若林に囁きかける。
 「俺に触りたいのか?」
乳首を弄る手は休めずにそう尋ねると、若林は酔って紅くなっていた顔を一層染めて頷いた。シュナイダーは一旦若林から離れると、すぐに服を脱いで上半身裸になった。ずり落ちそうな格好でソファに座っている若林は、愛する男の逞しい肉体を陶然として見上げている。
 シュナイダーの身体はいつ見てもきれいだ、と若林は思う。筋肉のつき方が理想的なのは、豊富な運動量とたゆまぬトレーニングの賜物だ。彼の肉体はごつ過ぎず細過ぎず、肌の白さと相俟ってまるで彫刻のようだ。決して外見だけに惹かれているわけではないのだが、若林はシュナイダーの裸を見るといつも見蕩れてしまう。
 (俺は・・・この男と愛し合っているんだ・・・)
 シュナイダーは若林の視線を意識しつつ、ズボンのファスナーに手を掛けた。そして下は脱がずに性器だけを露出させると若林に近付き、量感のある肉棒を若林の顔の前に近づける。
 「ほら。触れよ」
若林が、おずおずと指をシュナイダーの一物に絡めた。若林の指の動きはぎこちないが、シュナイダーには堪らない刺激だった。若林の手の中で成長したシュナイダーは、より固さを増して逞しく勃起した。この人並み外れた逸物を迎え入れる快感を思い出し、若林の身体は芯から熱くなる。若林は右手でシュナイダーを扱きながら、左手ではもどかしげに自らの股間を擦っていた。
 「手伝おう」
若林が自慰を始めたのに気付き、シュナイダーは若林を押し倒すようにしてソファに仰向けに寝かせた。そして若林の脚からズボンと下着を取り去ってしまうと、半勃ちになっている若林のペニスに自らの巨根を擦り付ける。
 「あぁっ・・・! シュナ・・・」
手よりも熱い一物がぺったりと自分自身に重ねられるのを感じて、若林は恥ずかしくて堪らない。若林のペニスは人並みよりも大きめなのだが、シュナイダーのペニスは太さも長さも、若林のモノを超えていた。シュナイダーは腰を振って、勃ちあがったペニスで若林自身を擦った。熱く脈打つ肉棒からダイレクトな刺激を受けて、若林のペニスも連動するかのように逞しく勃起する。若林が透明なとろりとした汁を漏らし始めたのを見て、シュナイダーは次の段階に進んだ。
 若林の片足をソファの背もたれに乗せて大股開きをさせると、丸見えになったアナルに濡らした指を挿入する。
 「うっ・・・んん・・・」
指が中を蠢く度に、若林の咽喉から押し殺したような喘ぎ声が漏れた。シュナイダーの指の動きに若林の肉壁はすっかり蕩けてしまい、シュナイダーの指をきゅうきゅうと締め付ける。頃合を見てシュナイダーの指先が若林の前立腺をコリコリと刺激すると、若林のアナルがシュナイダーの指を呑み込んだままきつく収縮した。
 「ああっ!」
若林の鈴口からだらだらと精液が漏れ始めたのを見て、シュナイダーは指を抜いた。
 「今の気持ち良かっただろう? でも、これからもっと、気持ちよくなるぜ」
シュナイダーは若林のひくひくしているアナルに、亀頭をぐいとめり込ませた。指より何倍も太いモノに穴を押し広げられて、若林の身体が思わず仰け反った。
 「あっ、シュナイダー・・・っ!」
 「ん・・・いいぜ。若林のここは、最高に気持ちいい・・・」
そのままずぶずぶと突き進まれて、若林は圧迫感で息が止まりそうになる。思い返せば、初めてシュナイダーとセックスをした頃は、痛みと衝撃が想像以上に凄まじかったため自分がこのまま死んでしまうのではないかと錯覚したものだった。
 だが今は違う。痛みを全く感じなくなったわけではないが、若林はそれを上回る快感を覚えてしまった。雄雄しい肉塊に身を裂かれながら、若林は気も狂わんばかりの快楽を味わっていた。シュナイダーが激しく腰を打ち付ける度に、若林は歓喜の声をあげる。
 「あっ、シュナイダーっ・・・もっと、あっ・・・ん・・・ああぁーっ!」
もっととせがまれて、シュナイダーは腰を大きく回して、若林の中を抉った。
 「若林っ、どうだっ・・・感じるか・・・?」
 「あぁっ・・・おれ・・あ・・・いいっ・・・!」
若林は両腕を伸ばし、シュナイダーの身体を抱き締めた。彼の背に爪を立ててしがみつきながら、意識が飛んでしまいそうになるのを必死になってこらえている。若林は押し寄せる快感に耐え切れず涙を浮かべながら、シュナイダーの顔に何度もキスをした。
 「シュナ・・・すき・・・好きだぁ・・・っ」
 「・・・俺も、俺も愛してる・・・若林・・・っ!」
シュナイダーは半開きになった若林の唇に、自分の唇を押し付けた。激しいセックスで身体を揺らしていた二人が、唇を重ね合わせた瞬間、動きを止めた。
 抱き合い、キスをし、繋がりあったままで二人は同時に達していた。体内にシュナイダーが放ったものの熱を感じて、若林は充足感に酔った。

 絶頂の直後からピクリとも動かなくなってしまった若林の上から、シュナイダーが身体を起こした。シュナイダーが若林の中から抜け落ちると、ぽっかり広がってしまったアナルから白濁した液が流れ落ちた。
 「若林、大丈夫か?」
シュナイダーの呼びかけに、若林が閉じていた瞼をゆっくりと開ける。若林がかすかに頷くのを見て、シュナイダーはホッと息をついた。若林はソファからのろのろと身体を起こすと、シュナイダーに言った。
 「なぁ・・・ベッドに行かないか? それに服も、ちゃんと脱がないと・・・」
言われてみれば、若林は下半身裸だが上半身はシャツとインナーを着たまま。逆にシュナイダーは上半身は裸だが、ズボンとパンツを着たままで性器だけ出したスタイルだ。お互い汗や汁にまみれてエロチックではあるが、何となく滑稽な感じがしてシュナイダーは小さく笑った。
 「そうだな。二回目は寝室でやろう。今よりもっと、若林を気持ちよくしてやるぜ」
 「・・・今のより!?」
若林が思わず聞き返す。エクスタシーの瞬間意識が飛ぶほどのセックスだったのに、それよりもっと気持ちよくすると予告されたのだから驚くのも当然だ。
 「ああ。だって、今日は若林の誕生日なんだからな。まだまだサービスするぜ」
シュナイダーの言葉に嘘がなかった事を、この後若林はベッドの上で何度も思い知らされる事になるのだった。
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