ラッピング
 楽しい時間は瞬く間に過ぎるもの。
 恋人である若林の家で、甘い一夜を過ごしたシュナイダーだったが、既に別れの時間が迫っていた。若林が自分と同じチームに来てくれれば、こんな慌しい逢瀬をせずに済むのに・・・とシュナイダーはデートのたびに同じ事を憂える。しかし頑固者の若林は、いくらシュナイダーが移籍しろと掻き口説いても、容易く首を縦には振ってくれなかった。
 シュナイダーはコートを羽織りながら、若林に次のデートの日取りを尋ねる。
 「今度、いつ会える?」
若林は帰り支度をしている恋人の姿から、壁掛けカレンダーへと視線を向けた。
 「そうだな・・・14、15あたりなら」
 「じゃあ14日にしよう。早く会いたいから」
 「判った。じゃ、2月14日で。今度は俺がそっちに行くよ」
何気なく約束の日時を口にした若林が、ふと気づく。
 2月14日。
 「・・・バレンタインデーか・・・」
 「なんだ、ソレ?」
シュナイダーに不思議そうに聞き返され、若林は苦笑する。日本では恋人達のイベントとして、知らぬ者が無いほど定着しているバレンタインデーだが、ドイツでの認知度はかなり低い。
 大切な人に贈り物をする日、としてデパートなどが広告を打つようになったのはここ数年の話だ。世俗的な事にほとんど興味を示さないシュナイダーが、バレンタインデーを知らないのも当然だった。
 若林は簡単に日本でのバレンタインデーを説明する。女性が思いを寄せる男性に、チョコレートをプレゼントする日。しかし会社や学校などでは、特に好意を持っていない相手にも義理でチョコを贈る事がある・・・と話すと、シュナイダーが声をあげて楽しそうに笑った。
 「日本人は本当に義理堅いんだな。そんなところでも義理立てをするのか」
 「するんだよ。俺も日本にいた時は、この手の義理チョコを渡されたよ」
若林は修哲小に通っていた頃を思い出す。昔を懐かしんで自然と顔に笑みが浮かんだ。すると、急にシュナイダーがきつい口調で問い詰めてきた。
 「・・・貰ったのは義理のチョコだけか?」
若林の笑顔を見て、過去に何かイイ事があったのかと勘繰っているらしい。子供の頃の話にまで嫉妬してるのだと気付き、若林は呆れる反面ちょっと嬉しくなる。
 しかしシュナイダーが想像しているような甘い思い出は、本当になかった。その頃の若林は今よりもっとサッカーに一途で、女は目障りとばかりにサッカーの練習を見に来る女子を怒鳴って追い返していた。お陰で男子からの人気とは対照的に、女子からはすっかり嫌われてしまった。
 全国レベルの実力を誇る修哲小のサッカー部員には、バレンタインデーともなれば学校内外からチョコが届く。しかし井沢や来生らのロッカーがチョコで溢れ返っていても、キャプテンの若林のロッカーだけは空っぽ同然だった。
 シュナイダーの誤解を解くべく、若林はそうしたエピソードを話して聞かせた。
 「だから俺が貰ったのは、クラスの女子全員で割り勘で買ったヤツとか、部のマネージャーがくれたヤツとか、そんなのばっかりだった」 
 若林の説明を聞きながら、シュナイダーも知り合った当時の若林を思い出す。気が強くて好戦的で、サッカー以外のことには目もくれない少年だった。少女たちの目には、若林は色恋に疎いがさつなヤツ、と映っていたのだろう。そう思えば、若林がモテなかったというのも判らない話ではない。シュナイダーは納得した。
 「それにしても見る目の無い女たちだな」
そう言いながらシュナイダーは、若林の傍に近づく。そして子供を褒める時のように若林の頭に手を載せて、髪をくしゃくしゃと掻き回す。
 「こんなイイ男に気付かないなんて、日本の女はどうかしている」
 「おい、よせって」
若林が笑いながら、シュナイダーの手をどけようと手をかざす。すぐにその手をシュナイダーに掴まれた。そのまま引き寄せられ、ふわりと唇を重ねられる。
 別れのキスだ。
若林の手がシュナイダーのコートをしっかりと掴む。
 二人はぴったり身体を寄せ合いながら、互いの唇の感触をいとおしげに確かめあう。
 次に会う日は決まっていて、その間電話やメールで連絡を取る事も出来る。離れている時間はほんの僅かだ。
 それでもやっぱり別れは辛い。
 一緒にいられる間は、愛しい相手とずっとこうしていたい。
 同じ想いを抱く二人のキスは、いつ終わるとも知れなかった。
 やがて、始めた時と同じ自然な動きでシュナイダーの方から唇を離した。もう別れの時間なのだと察し、若林は身体を離そうとした。
 しかしシュナイダーの腕は、大切な恋人をきつく抱いたままだった。シュナイダーは若林の耳元で囁く。
 「・・・若林。俺にチョコレートをくれないか」
 「チョコを?」
 「ああ。日本の慣わしなんだろう。2月14日に、若林の想いが詰まったチョコレートを俺にくれ」
 事ある毎に若林に愛を囁き、若林からの愛情表現を貪欲に求めるシュナイダーらしい提案だった。
 しかし日本ではバレンタインデーにチョコを渡すのは、女から男へと決まっている。シュナイダーに他意がないのは判っているが、自分が女扱いされるようで若林は少し抵抗を感じた。
 (・・・だけど、シュナイダーが欲しいのなら・・・)
 「わかった。必ずチョコを持っていくよ」
若林の返答に、シュナイダーは顔をほころばせる。
 「約束だぜ」
そしてもう一度、今度はソフトなキスを若林の頬に落とすと、シュナイダーは若林から離れた。
 次に会うときには、若林が愛のこもった贈り物をしてくれる。次の逢瀬に思いを馳せる事で、別れの辛さが軽くなった気がした。
 期待に胸を膨らませながら、シュナイダーは恋人の家を後にした。

 日にちは流れ、2月14日を迎えた。
 約束の時間きっかりに家に来てくれた若林を、シュナイダーは満面の笑みで出迎える。若林も笑顔で、手に提げていた袋をシュナイダーに渡した。
 「ほら、頼まれていた物」
シュナイダーは袋を受け取り、中を見た。
 有名量販店のロゴがプリントされた袋には、チョコレートの大袋が無造作に放り込まれていた。そのパッケージにはチョコに顔や手足をつけたマンガっぽいキャラクターが、大きく描かれている。どこの店にも売っている、子供向けの駄菓子だ。
 シュナイダーは眉をひそめる。確かにチョコレートだが、これはシュナイダーが考えていた「贈り物」の印象には程遠かった。
 「若林、コレは・・・?」
 「なんだ、忘れちゃったのか? チョコを持ってくるよう、俺に言ってただろ」
苦笑いを浮かべる若林に、シュナイダーは強い口調で言い返す。
 「忘れてなんかいない! だけどコレは・・・」
シュナイダーはチョコの大袋をテーブルに置いた。愛情のしるしに贈るチョコだというから、美しく丁寧にラッピングされた、あらたまった体裁の物を思い浮かべていたのだ。誰にでも買えるスーパーの駄菓子では、思い描いていたイメージと違いすぎる。
 「若林、日本のバレンタインデーでも、女性は意中の男にこういう・・・普通のチョコを贈るのか?」
 「まさか。女が本命の男に贈るのは、値段の高い高級チョコレートや手間隙かけて作った手作りチョコらしいぜ」
俺も貰った事がないからよく知らないけど、と言葉を足して若林が笑う。しかしシュナイダーは二コリともしない。
 「・・・このチョコには、金も手間も掛かってないよな・・・」
絡むような物言いに、若林が笑みを引っ込める。
 「なんだ、気に入らないのか? おまえが欲しいって言うから買ってきたのに」
 「俺は、若林の気持ちがこめられたチョコが欲しかったんだ。だが、これは・・・」
シュナイダーは卓上のチョコを見下ろして、肩をすくめた。
 「・・・頼まれたから持って来た、ただそれだけ。このチョコレートには、何の気持ちもこもっていない」
 「気持ちならこもってるぜ。おまえが喜ぶだろうと思いながら、買ってきたんだから」
 「だったら、せめてラッピングくらい凝ったらどうなんだ? 一応プレゼントなんだぞ」
 「貰う側のくせに注文が多いな。俺に凝ったラッピングなんか出来るかよ」
シュナイダーの言いたい事も判らなくはないが、せっかく持って来た品にケチをつけられ若林は面白くない。
 それにラッピングなぞしてなくとも、これは若林がシュナイダーの為に、シュナイダーの為だけに用意した唯一のチョコレートなのだ。若林が想いを寄せる相手はシュナイダーの他にいない。つまり見かけがどうあれ、正真正銘の”本命チョコ”なのに・・・
 (なんでそんな事も判らないんだ・・・)
自分の口からアレコレ言い訳するのも馬鹿らしくて、若林は口をつぐむ。シュナイダーはまだ何か文句を言っていたが、若林が不貞腐れているのに気付くと、わざとらしく大きなため息をつきながら椅子に掛けた。しかしテーブルの上のチョコに手を伸ばす気配はない。
 厭味な態度だと内心で腹を立てながら、若林もシュナイダーの向かいに腰を下ろした。
 テーブルの上の袋菓子を挟んで、ぎこちない嫌な沈黙が流れる。
 互いの想いをより深め、気分を盛り上げてくれるアイテムである筈のチョコレートが、二人の間にとんだ溝を作っていた。こんな事ならチョコを買うんじゃなかったと思いつつ、若林は卓上のチョコレートをぼんやりと眺める。
 (シュナイダー、このチョコ食わねぇのかな・・・)
たかがチョコではあるが、恋人の為に用意してきたものを拒絶されるという現実は、若林の気持ちを深く落ち込ませていた。
 おそらくシュナイダーは、俺の前でこのチョコを食べはしないだろう。そう思うと何だか癪に障って、若林はチョコの大袋に手を伸ばした。
 若林はシュナイダーの見ている前で、乱暴な手つきで袋を開ける。そして色とりどりにコーティングされたチョコを鷲掴みにすると、それを自分の口に放り込んでバクバクと食べ始めた。無言でチョコを食べ続ける若林を見ながら、シュナイダーが声を掛ける。
 「何やってるんだ。俺のチョコだぞ」
 「どうせ食わないんだろ? ゴミに捨てるくらいなら、責任とって俺が始末してやる」
 「甘い物は嫌いじゃなかったのか?」
 「このチョコは苦いんだよ!」
意地を張った若林が子供のようにチョコを頬張っているのが可笑しくて、シュナイダーの顔に笑みが浮かぶ。
 不味そうにチョコを食べ続ける若林を見ているうちに、シュナイダーの機嫌はいつしか直ってしまっていた。
 冷静になって考えれば、自分の態度はあまりに大人げなかった。見かけがどうあれ、若林がプレゼントをくれたのに礼も言わず文句ばかりつけていたのだから・・・
 何と言って詫びようかと思案しているうちに、シュナイダーはある事を思いついた。
 シュナイダーは椅子から立ち上がり、若林の傍に近寄った。そして若林の顔を半ば強引に上向けると、口の中にチョコがあるのにも構わずキスをする。
 「わっ! おまえ、何す・・・」
若林が嫌がって顔を離そうとする。しかしシュナイダーは若林の頭を強く抱きかかえるようにすると、もう一度強引にキスをした。
 あまったるいチョコの匂いが鼻をつき、舌には噛み砕かれたチョコのベタベタした甘さが広がった。
 シュナイダーは若林の顔を押さえ込み、口腔に残っているチョコの残骸を舌を伸ばして掬い取っている。
 文字通りの貪るような激しいキスに、若林の抵抗が徐々に弱まる。
 そうしてシュナイダーは、若林の口のチョコを全て舐め取ってしまった。
 チョコが無くなってもシュナイダーのキスは終わらず、そのまま若林の唇に何度も何度も唇を押し当てる。
 チョコは残ってないのにシュナイダーの舌は、なおも何かを捜し求めるように若林の口内を動き回った。
 「う・・・」
ほんの少しシュナイダーの唇が離れた時、若林が苦しげに呻いた。
 シュナイダーが我に返ったように顔を離し、若林を見る。若林はわずかに咎めるような目つきで、シュナイダーを見返した。
 「・・・おまえ、食うんだったら、こっちにしろよ」
そう言って若林は、まだ中身がたっぷり残っているチョコの大袋をシュナイダーに押し付ける。あんな風に口移しで物を食べるなんて、まともじゃない。シュナイダーのキスは好きだが、今みたいなのはケダモノじみていてとても好きになれない。
 だが、シュナイダーは若林に渡されたチョコの袋を、テーブルの向こうへと押しやった。
 「このチョコは嫌だ。若林が包んでくれたのかいい」
 「俺が包んだ?」
何の事かと一瞬考えたが、自分がチョコを口に入れている状態を差しているのだと気付き、若林は赤面する。
 「変な事言うなよ。気持ち悪い」
 「そうか? 若林そのものが、チョコレートのラッピングだ。楽しい考えだと思わないか?」
 「思わねぇよ! いちいち口移しでおまえにチョコを食わせるなんて御免だ」
 「元はと言えば、若林が俺のチョコを勝手に食うからだ」
やにわにシュナイダーが若林の両肩を掴んだ。
 そして若林を椅子から立ち上がらせると、若林の上半身をテーブルの上に勢いよく押し倒す。若林は身体をくの字に反らしたような体勢で、テーブルの上に押さえ込まれてしまった。
 慌てて起き上がろうと身体を捻った拍子に、若林の肩にチョコの大袋がぶつかった。菓子袋がそのままテーブルの上から滑り落ちる。
 バラバラと音をたてながら、小粒のチョコレートが床の上に飛び散った。
 しかしシュナイダーはこぼれたチョコには目もくれない。若林の肩をテーブルに押さえつけたまま、じっと若林を見下ろしている。
 「おい、シュナ・・・」
シュナイダーが、若林の上に覆い被さった。
 若林の口をキスで塞ぎながら、右手で慌しく若林のシャツの裾を捲りあげる。裾から手を入れて、もどかしげに若林の肌を愛撫すると、今度は両手を若林のジーンズに掛けた。
 「ま、待てよ。するんならベッドで・・・」
シュナイダーの意図に気付き、若林が声を掛ける。しかしシュナイダーはさっさと若林のジーンズと下着を膝の近くまでずり下ろしていた。
 シュナイダーが若林の恥部へと顔を寄せる。何の躊躇いもなく、シュナイダーは若林自身を口に含んだ。
 もう若林に逃げ道はなかった。 
 急所を熱い舌に舐り回されているうちに、若林は抗う意思を失くしてしまった。
 ぺちゃぺちゃと舌がうねる度に、若林の身体を快感が通り抜ける。しかしこんな情けない格好で感じてしまっているのが恥ずかしくて、若林は必死に声を抑えていた。
 若林が堪えているのが判り、シュナイダーは可笑しくなる。気持ちいいなら素直にそれを表せばいいのに。
 シュナイダーは一旦口を離すと、ピンと反り返った若林自身を楽しそうに眺めた。
 僅かに震えながら先端から蜜を零しているそれは、シュナイダーにとっては極上のスイーツだ。
 これの味は最高だ。チョコレートなんかお呼びじゃない。
 シュナイダーは目の前にそそり立つペニスに、指を絡ませ激しく擦り揚げた。
 「うっ・・・!」
若林の両手が、テーブルの縁を力強く握り締める。
 若林の身体がブルッと震え、同時に真っ白なザーメンが彼の先端から吹き上がった。
 シュナイダーの指にはねっとりと白い汁がまとわりついている。シュナイダーは舌先で、それを一口だけ舐める。
 不味いと思ったことは無い。変わった味だが、シュナイダーは若林のこれを舐めるのが好きだった。
 それから若林の脚を抱え上げ、露わになったアナルへとべとつく指先を差し入れる。
 挿れた途端、若林が身体を強張らせたのが判る。だがシュナイダーは慣れた様子で、若林の内壁をゆっくりと掻き回す。
 逢瀬のたびにシュナイダーを受け入れている部分が、柔らかく解れるのにそう時間は掛からなかった。
 シュナイダーは指を抜くと、今度は自分のペニスを露出させた。目の前の刺激的なデザートのおかげで、数回扱いただけでそれは逞しく勃起する。
 固く勃ちあがったペニスを入口へ押し当てながら、シュナイダーは若林の顔を見下ろした。
 大きく息を弾ませながら、若林もシュナイダーを見上げている。
 何も言葉を交わさなくても、お互いの欲しているものは判りきっていた。
 シュナイダーが若林をゆっくりと貫いた。長い肉棒を半ばまで挿れたところで、小刻みに抜き差しをする。
 「あっ・・・あ・・・」
シュナイダーの動きに共鳴するように、若林の呼吸が乱れ始める。シュナイダーが動きを速めると、若林は無意識のうちに自ら腰を浮かして、シュナイダーをより深く咥え込もうとしていた。
 シュナイダーが若林の中に大きく打ち込んだ。巨根が根元までずっぽりと埋まり、若林は堪らず声を上げた。
 「あぁっ! シュナイダー・・・あっ・・・いい・・・」
一度声を漏らしてしまうと、もう我慢は出来なかった。すっかり理性を失くしてしまった態の若林を見て、シュナイダーは満足を覚える。
 シュナイダーは若林を犯しながら、若林のペニスを握りしめた。そして強く擦り上げながら、腰を激しく揺さぶった。
 シュナイダーが突き上げるたびに、若林は意味のない言葉を叫ぶ。
 「はっ・・・あっ・・・ん、駄目だ・・・とける・・・とけちまうっ・・・!」
 「・・・とかしてあげるよ・・・」
シュナイダーが若林の中を深く抉った。その拍子に、シュナイダーに握られたまま若林が射精する。
 若林に挿れたままのシュナイダーが達したのは、その直後だった。
 
 「・・・ったく、変な所で欲情しやがって」
情事のあと、床に散らばったチョコを見ながら若林がぼやく。
 「チョコなんか持って来るんじゃなかった」
 「そうか? いつもと違う楽しみ方が出来たじゃないか」
シュナイダーは床を見下ろして、楽しげに笑う。
 「おっ、これなんかミルクがけになってるぞ」
シュナイダーが拾い上げたチョコが、白い液にまみれているのを見て若林は眼をそむける。
 「やめてくれ。気色悪い」
テーブルから降りてズボンを履きなおしながら、若林がため息をつく。
 「まったく、とんでもないバレンタインデーだ。このお返しはちゃんとして貰うからな」
 「なんだよ。若林だって感じてたくせに。大体何を返せっていうんだ?」
シュナイダーに真顔で聞き返されて、若林は考える。そうだ、バレンタインデーのお返しといえば・・・
 「ホワイトデーだな。3月14日に、俺にプレゼントを持って来い」
 「ホワイトデーだって?」
シュナイダーがキョトンとした顔で聞き返す。
 「今日は日本式のバレンタインデーだったんだろ。だったら日本式でお返しをして貰うぜ」
シュナイダーにホワイトデーの説明をしてやりながら、若林は来月のデートに思いを馳せる。
 ホワイトデーには何が起きるのだろう。自分でも意外な事に、若林は言葉とは裏腹にこの状況を楽しんでいるのだった。
つづきはコチラ 

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