俺たちはホラーハウスに入ることにした。若林が訝しげに問う。
 「マリーちゃんに見せる写真なら、もっと楽しそうなアトラクションの方がいいんじゃないか」
 「いや、全てのアトラクションをひと通り、写真に撮ると約束したんだ」
 「ふーん」
若林は疑わしそうに、相槌を打った。まずい。嘘がバレそうだ。
 それに男女のカップルなら、女が怯えてホラーハウスの中で二人自然に抱き合ったりするか
もしれないが、男同士ではそうもいかないだろう。・・・どうしよう?

 俺が怯えた振りをして、若林に抱きつく
 小細工はせず、普通に振舞う
 ホラーハウスに入るのを止める