「いや、ナイトパークを見ていこう」
俺は若林を引きとめた。若林が気乗りしない様子で言う。
 「ナイトパークって、カップル向けのアトラクションばかりだろう?」
 「でも、花火やパレードがあるだろう。その写真を撮りたい」
俺が強く言うと、若林は了解してくれた。しかし、花火にしろパレードにしろ、もっと遅くならない
と始まらない。かなり時間が空いてしまう。俺たちは他のアトラクションで、時間つぶしをするこ
とにした。
 どこに行こうかと辺りを見回した俺の眼に、夕闇に立ちそびえる観覧車が見えた。そういえ
ば、昼間観覧車には行かなかったな。あれにしようか。しかし何故か観覧車には、昼間よりも
長い行列が出来ている。あれに並んだら、肝心のパレードなどを見逃すかもしれない。

 観覧車に乗る
 観覧車に乗らない