俺はわざとよろめいて、若林にもたれかかった。驚いた若林が、俺を助け起こす。

  「どうした、シュナイダー?」

  「・・・わからん。急に眩暈がして・・・」

  「源三、部屋で寝かせてあげなさい。オーバーワークで疲れが溜まっているのかもしれん」

  見上が良いことを言ってくれた。俺は若林の寝室のベッドに、寝かされる事となった。傍に

 付き添った若林が、心配そうに俺の顔を覗きこむ。

  「ごめんな、シュナイダー。毎日、居残り練習に付き合わせた俺のせいかも・・・」

  「おまえのせいじゃない。気にするな」

  本当にその通りなので、流石に気が咎める。俺は俄かに、猛烈な罪悪感に襲われた。

  愛しい相手を謀って、俺は何をしようとしているんだ。


  俺は罪悪感に耐え切れず、若林の家から立ち去ることにした。


  俺は罪悪感を押さえ込んで、若林の手を取った。