こういう時は下手に謝ったり弁解したりすればするほど、泥沼に嵌ってしまう恐れがあ
る。口先で詫びれば良いというものでもない。自分の気持ちを、相手に正しく伝える事が重要なのだ。若林はそう腹を括ると、シュナイダーに向き直り大声で言った。
「おいっ! 何をゴチャゴチャ言ってるんだ? 俺がなんでここにいると思ってるんだよ!」
「それは・・・俺が無理矢理呼んだから・・・」
「そうじゃないだろう!」
沈んだ声でブツブツ言い掛けるシュナイダーを、若林は大声で遮った。
「俺は、自分の意思でここに来たんだ。シュナイダーが好きだから、シュナイダーとしたいから、ここに来たんだ!」
若林がこうもハッキリ夜の話題を口にするのは初めての事だったので、シュナイダーは仰天した。
「わ、若林。今、何て言った?」
「シュナイダーとしたいから・・・俺は、ここに来た!」
幾分照れ臭かったが、酔いのせいで羞恥心が薄れているらしく、若林は堂々と言い切った。この直球ど真ん中の告白は、間違いなくシュナイダーの心を直撃したようだ。
「・・・若林、嬉しいよ。俺も、若林が好きだ」
どうやらシュナイダーの中に、いつもの自信・・・若林に愛されているという自信が蘇ったようだ。愛情に満ちた暖かな笑みを向けられて、若林は安堵する。そして若林は、さっきの告白の続きで少し大胆な事も言ってみた。
「それじゃ、早速始めようぜ。今夜は俺の誕生日だし、アレも俺の好きにやらせて貰うからな!」
「アレもって・・・アレのことか?」
シュナイダーが期待に満ちた目で、若林に念を押す。若林が当然だと言い切ると、シュナイダーが尋ねた。
「そりゃあ、俺にとっても大歓迎だ! 最初は何をしてくれるんだ?」
シュナイダーに聞かれて、若林は一瞬考え込んだ。セックスの時はいつも、シュナイダーの方からあれこれ導いてくれるので、自分からは何かアクションを起こした事が無かったのだ。
(えーと、最初にするのは・・・?)
とりあえずキス
とりあえず触る
とりあえず咥える