「悪ぃ・・・俺、カッとなっちまって」
若林はシュナイダーに抱き締められながら、素直に謝った。
「いくら断ってあるからって、俺がシュナイダーを待たせた事に変わりないのに。・・・ごめんな」
「いや、いいんだ。俺の言い方が悪かったんだから」
シュナイダーは若林の髪を撫でながら、優しく言った。ちょっと悪酔いしているのかと思ったが、やはり根はいつもの若林だ。
真面目で、誠実で、可愛い俺の恋人。今年も彼の誕生日を二人きりで祝える幸せに、シュナイダーは感謝した。
「なぁ、飲み会がどんな風だったのか、教えてくれよ」
自分が見ていない場所での若林の様子が知りたくて、シュナイダーは聞いてみた。若林は酒の席で上がった話題や一緒に飲んでいた皆の酔態などを思い出しながら、酒宴の様子を楽しげにシュナイダーに話し聞かせる。ひとしきり話し終わると、若林は最後をこう締め括った。
「また、翼たちと飲みに行きたいなぁ」
「ずっと、あそこにいても良かったなぁ」
「でも、本当を言うとシュナイダーの事がずっと気になってたんだ」